手術についてウロリフト
(経尿道的前立腺吊り上げ術)

前立腺肥大症とは

加齢に伴って前立腺が大きくなると、尿道が圧迫されて排尿障害が起こります。
これを前立腺肥大症と呼び、多くの中高年男性にみられる病気です。
症状としては、尿の勢いが弱くなる、出始めに時間がかかる、残尿感がある、急に尿意を感じる、といったものがあります。

ウロリフト
(経尿道的前立腺吊り上げ術)とは

ウロリフトは、前立腺を切除せずに尿道を広げる新しい治療法です。
専用の小さなインプラントを尿道から挿入し、肥大した前立腺を吊り上げて固定することで、尿道を物理的に広げます。
これにより、排尿の通り道が確保され、尿の勢いが改善します。

特徴とメリット

  • 身体への負担が少ない
    前立腺を切除しないため出血が少なく、合併症のリスクも抑えられます。他の前立腺肥大症の手術でみられる性機能への影響は少ないとされています。
  • 短時間の手術
    手術時間は15〜30分程度で終了します。
  • 入院不要
    日帰りで行うことができ、翌日から普段の生活に戻れる方も多いです。

注意点

  • 前立腺が非常に大きい場合や、前立腺の形状によってはウロリフトが適さないことがあります。その場合は、より適した他の手術方式が望ましいため、対応可能な医療機関をご紹介いたします。
  • 手術後に一時的な排尿違和感や血尿が出ることがありますが、多くは数日で落ち着きます。
  • 手術後、時間の経過とともに前立腺がさらに大きくなり、再度手術が必要になる場合があります。
  • 日本では保険診療の適応には一定の制限があります。若い方が治療を希望される場合には、自費診療となることもあります。保険が適応となるかどうかは、手術前の診察時にご案内いたします。

当院での治療の流れ

手術前の受診(診察・事前検査)

まず外来で診察を行い、症状や前立腺の大きさを評価します。
今までにかかった病気や内服薬の確認、血液検査などの事前検査を行い、ウロリフトが安全に行えるかを確認します。
そのうえで、手術の必要性を判断し、手術日を決定します。

手術当日

予約日に来院いただき、手術を行います。
手術自体の時間はおよそ15~30分程度です。(手術の前後に準備や安静のためのお時間をいただきます)
終了後はベッドで安静にしていただきます。
出血(血尿)の程度により、尿道にバルーンカテーテルを入れた状態で帰宅していただく場合があります。

手術翌日の受診

翌日に再度ご来院いただき、術後の経過を確認します。
バルーンカテーテルを入れたまま帰宅された場合は、この時点で問題がなければ抜去します。

事前にご準備いただきたいこと

  • 高額医療制度の申請
    ウロリフトは保険診療で受けられますが、高額医療制度の申請をしないと窓口で高額な医療費を一時的にお支払いいただく必要があります。窓口でのご負担を避けるため、事前に高額医療制度の申請をしておくことをおすすめします。
  • これまでの病気や普段のお薬について
    今までにかかった病気や、普段服用されているお薬の情報をご準備ください。お薬手帳や服薬内容が分かる資料をお持ちいただくとスムーズです。
  • 血をサラサラにするお薬を服用中の方へ
    血をサラサラにするお薬を飲まれている方は、手術前に一時的にお薬を中止する必要がある場合があります。必ず主治医にご相談いただき、中止できるかどうかを事前に確認してください。

ご相談・お問い合わせ

ウロリフトについての詳しいご相談や適応の確認は、外来にて承っております。お気軽にお問い合わせください。